このリンクにあるように
http://www.tsubamestudio.com/loudness-war-the-beginning-of-its-end/
ここ暫くの音楽マスタリングについてのこの疑問は録音エンジニア諸兄、番組のMAさんなどの多くが思うところだと思います。
聴感レベルを上げて聴きやすくすることは悪いことではなくて、波形が真っ黒になるほどでなくても実際自分の楽曲を映像企画の方に「仮のデモとして」預けるときなども、その方のその先での再生環境を心配していったんマスタリング作業をする自分がいます。ましてsoundcloudに上げるときなんか他のみんなと聴感レベルがあわないからもちろんするわけです。
マスタリングは対象がミックス済みの2チャンネル素材であることから敷居が低いと思われがちで、インディーミュージシャンの間でさえアマチュア向けの雑誌の特集も手伝って音圧ばかりを重視する傾向があります。
音楽などの制作プロセスではテクニカルな意味で弄りやすいのはミックス済みの2チャンネルマスター、録音済みのマルチトラック、録音、演奏、楽曲、アーティスト本人の素性の順で、いわば音楽の成り立ちの「逆順」、遡る感じであります。そこから弄ってしまうと本末転倒なのです。
僕はアーティストなら先ず素から、つまりアーティストとしての心構えや楽曲がいい演奏を支え、いい録音を可能にして行くものだと思います。そもそもマスタリングに頼るまえにその手前、そのまた手前を疑い修正することが必要です。
機材が安くなり(とはいってもそれなりの金額です)、雑誌にはノウハウらしき記事があるわけですが、ほんとうに戦える自分の戦術は自分で探さなくてはいけないし、それがアーティストの使命でもあります。
SNSで老いも若いもプロもアマチュアも繋がれる時代ですから自分の範疇を知り、ある程度相談をして作業をプロジェクト化することをしないともったいないですね。
で音圧ですが、これからは少しづつ空気感が見えるようなものに戻っていって欲しいと思っています。
テレビではラウドネスの規定がスタートして、平均音量が大きいと音量を絞る、すなわち、数bit損をしてオンエアされることにもなり、何のためのハイビット録音かもわからないことに!
ってことで、この件また追記していきますね。
自分の装置で再生するために、一時間ならその最大レベルで全体を揃えてきたのですが、デモンストレーションする時はそれではもそもそした印象を多くの人が感じるようで、トラックを分けている場合はトラックごとに最大レベルを決めても観た、今度は平板な印象になってしまった。
返信削除古いアナログをオーディオ再生して音圧がスゴイって批評している人がいるけど、ダイナミックレンジとビット幅を狭めているのを混同して聴いていることって無いのでしょうか。