2014年10月12日日曜日

お金を出して買いたい音楽について少し考えるメモ

【どんな音楽にお金を出したいかを自分なりに導きたいぞ!】

 自分が何を考えて音楽制作をしているのか、ちょっと整理したいと思いメモします。

 僕の周りにはメジャーとは呼べないけどたくさんの優れたアーティストがたくさんの楽曲をリリースし、あるいはライブで歌っています。ライブハウスにいくとグッとくるアーティストが実はたくさんいます。でも500-1000枚のプレスを一生懸命売っているアーティストを見ていると実力はあるのに突破口がない感じに僕は悶々とします。どのひともまあまあいい、CDを出している、ライブも下手ではないし楽曲も形にはなっているのにどこか売れない感があるのはなぜか、これ売れるぜ感が弱いのはどう考えたらいいのか・・。

 広い意味で音楽業界のいいところは音楽の多様化、自由に作り、好きなものを歌えるようになったこと。で、ダメなところは、音楽スキルがあるアーティストが食えないこと、そこまで多様な音楽を吸収出来るユーザー(広告ユーザー、企業、リスナー、シーン、モードなど)を育てられなかったこと、音楽がなければ困るような生活観を持つ層を上手に広く育てられなかったことなどだと思います。また、音楽が多様化しているにもかかわらず狭い範囲が広告宣伝されユーザーが音楽を選ぶ範囲が逆に狭くなっています。

 アーティストの数だけ多様な音楽があるとして、その多様性をリスナーが吸収できないとしたらどうしたら少しでも浸透するようになるんだろう、みたいなことを考えました。

 これはその思考のまとめ(途中)です。根拠の明示がユルユルですがいずれ例なども追記しつつ修正加筆したいと思います。


<音楽の意味の変遷について、音楽がうまく回っていた80年代までとそれ以降について考察する>

7-80年代のPopsではファンは「生きざま」「考え方」などに共感してそれを共有しようとした
 ・聴き心地よりも、言葉・思想
 ・「私はこう思う」「私はこう生きる」という『スタイル』のようなものに共感
 ・音楽はファッション・モードであり、若者をリードするものであった
 ・音楽が「文芸」であり歌詞にも文芸的なものも多く「詩」あるいは「物語」的であった
   e.g. 荒井由実、さだまさし、五輪真弓(少女)
 ・音楽を聴くことを通じての疑似体験の存在
   e.g 松任谷由実はOLを模写したり、恋愛のスタイル、理想を歌った
     中島みゆきは道に倒れて愛する人の名前を呼び続けた
 ・「私もそうなれるかも」という個人的な憧れを誰もが(こっそり)抱くことができた
 ・音楽からアーティストの人柄のようなものを想像した
 ・映画のように映像を思い浮かべられるものもあった
   e.g.イルカ etc
 ・音楽番組があった
 ・音楽制作者作者は洋楽を思想・モード/スタイル的にリスペクト
   e.g.ボブディラン・ビートルズ

 ☆音楽を買う・持ち歩く理由は「自分にとって価値のある思想、自分を勇気づけるもの」
  「そこから想像力を働かせることができるもの」を自分のそばにおくことだったと推測



80年代後半から音楽番組が激減、90年代後半から2000年になって「応援」ソングの時代になる
 ・「心配ない」「君は君のままでいい」「君の花を咲かせよう」
 ・音楽がみんなのもの、リスナー・ファンも歌う時代に
   e.g.ドリカムなど
 ・歌唱力偏重(カラオケの台頭)
 ・悩みや辛さは直接歌わない傾向
 ・疑似体験、私らしいスタイル、私小説的な部分が極端に表現されなくなる
 ・音楽への窓口が絞られ「私のための音楽」に出会いにくくなった
 ・バンドブームが起きているんだけども・・(要考察)

 ☆音楽をを買う・持ち歩く理由は「友人たちと共有できる思想」をシェアすることに変化したと推測

2000年以降、「思想」「オリジナルな考え方」よりも「かわいい」「かっこいい」などライトな「キャラ」
視点が購買のきっかけになる
 ・AKB・ジャニーズ、音楽ではなくシンガーやユニットの「キャラ」が重視
 ・おもにR&Bなど歌唱力(風)な部分を売りにする風潮
 ・HipHop分野などで「感謝」の言葉が増産される
 ・音楽がバラエティー文化に統合され、「個人性」「特殊性」は表現されない
 ・明るさ、楽しさ偏重
 ・音楽とアーティストの人柄は乖離(おまえに言われたくない場合も多く)
 ・表現者を選ばない楽曲/歌詞
 ・リリース数が絞られ多様性を欠き「私のための音楽」が無くなった
 ・バンド人口は増えているんだけども・・(要考察)


 ☆仮に思想に共感してもアーティストの人柄に共感することができないので音楽を所有する理由が希薄化したと推測
  企業までが稚拙なC.I.(e.g.ユルキャラの台頭)を付けたように広告表現全般が幼児化したと思われる

ここまでのまとめ:
 音楽購買の価値は「自分のため」から「みんなと楽しむため」に変化したことで、もしも「思想」が合致してもメジャーでない作品を購買しなくなった。音楽は「感じて想像して楽しむ文化」から「できあいのキャラのシェア」あるいは友人とのおつきあいツールに変化していった。


=====ここからはイマジネーション=====
いったん、2000年代がダメな時代と仮定して、いま必要なことがなにかを考えてみる


・音楽をもっと私的に、自分(聴き手)だけのためにしてあげるといいかもしれない
・何回もイヤフォンで聴いてほっとする、癒される、一緒にいたい音楽が必要なのでは?
・表現者は思考ロジック=生き方のようなものをシェアしたほうがいいのではないか
・「音楽」は仮の姿であり、時間を共有したい親友であるべきではないか
・表現が「個人的」であるほど大切な親友になるのではないか
・シンパシーを持ちたいのではないか

<浸透の条件:どんな音楽がリスナーの側に置いてもらえそうか→いつも聴きたい>
 ・「私」になにかをくれる、そうなりたいと思う、「私」を理解してくれている言葉
 ・「私」が普段言わないけど思っている事を的中したもの
 ・作品を聴くことで表現者が見えてくるもの
 ・ずっと聴いていたい心地よさ
 ・人が生きるにあたり、まちがったことを言わないもの
 ・表現者も葛藤しているのがわかること、リアルな気持ち、気持ちの変化→生きる上で共感を呼ぶ
 ・強い意志を感じるもの
 ・「私はあなたの理解者である」ことを聴く間に理解させ共感させるもの
 ・「思考の過程」をオープンにしたもの=考え方=ややプライベートの吐露感
 ・表現者も痛い思いをして頑張ってそれを言ってくれた感のあるもの→表現者に感謝、シンパシー
 ・リアリティーを「共感」でき表現の技術などに「尊敬」できるもの
 ・本当は寂しがりや、人なつっこさなどを感じさせるもの
 ・辛さや切なさ、泣くような思いを事をがんばって表現しているもの
 ・思考途中のもの『なのかもしれない』→『そうだよ、そのとおりだよ』と動機
 ・「かっこいい!」と思えるような人生(らしきもの)を見せてくれるアーティストが行う音楽←この例はライブハウスで顕著
 ・結論は同じでも気持ちやロジックはパーソナルであることを理解表現するもの
 
<愛されたとしても所有しない→いつでも聴くわけではない音楽>
 ・単に状況をおもしろく表現しただけのもの。
 ・極端なアート、ライブだから成り立つものは日常とマッチしない
   →物販としては最高であるが
 ・既出な表現を多用しているものは稚拙に思われる
 ・「心配ない」「君は君のままでいい」「君の花を咲かせよう」「感謝」を歌うもの
   →ただしファッション性、オリジナリティーが伴えば可能性あり
 ・表現手法(キャラクター)や技が強く影響してこそなりたつ作品
 ・おもしろいけどシニカルや奇抜であるもの
 ・みんながすでにシェアしてる感のあるもの
 ・あたりまえなことをあたりまえに言っているもの
 ・このひとは結局弱い人間であると感じるもの
 ・装飾が多く人柄を感じられないもの
 ・答えや結論だけを言うもの

 
イマジネーション部分のまとめ:
 ・カラオケでは明るい、元気になる系の歌を歌うかわりに、個人では個人を癒す音楽が
  望まれているのではないかと思う。
 ・音楽にお金を払うのではなく、音楽を作ってくれたそのひとと一緒にいるためにお金を払いたいのかもしれない。
 ・楽曲ではなく、表現者のストーリー、表現者がエグく語ってくれたこと=擬似的に
  プライバシーを公開してくれていることを(お金を払って)自分のものにしたいかも
 ・「私はあなたの理解者である」ことを聴く事で理解させ共感させるもの


【自分はどう思うか再び】
 ここまで書いて、自分はどんなものを買いたいかをもう一度考えます。
自分は買うならその表現をずっと聴いていたい、表現しているひとと一緒にいたいものなんじゃないかと思いました。どういう場合に大好きになるのかというと恋愛と同じで、魅せて、心を開いて、腹を割って、思いやることかな。それ、またはそのフリを音楽表現でどこまでできるか、なのかなぁ、とか。そういう音楽ならいつでもイヤフォンで聴きたいな。音楽というかそのアーティストともにいたいというか、親友になれるというか、感謝してしまうというか。

 いまでは音楽のリリースのうちラジオやテレビで出会える可能性の高い音楽が減ってしまっているので(旧譜を合わせてダウンロードをカウントに入れれば減っていない=それでいいと思ってるからこれが大問題なんですけど、それは置いておいて)、だから個性に出会えないのはもちろんあります。これは実はライブハウスに行くと出会えるんですけどね。。


はっきりした結論は出ませんでしたが思考の道筋がすこし見えたところで今回はここまでにします。

藤木はこんな思考で制作をしています。

ご精読ありがとうございます。

2014年10月3日金曜日

自分のスタジオを疑ってみる

ハイレゾ対応の録音をするようになって、ほんとうに超高音が正しく録音再生されているかを気にするようになって、測定することで心配をなくすことの大切さを再認識しています。

自宅でスタジオ風味なことをしているみなさん、オーディオマニアのみなさん、みなさんは左右のスピーカーに本当に同じレベルで電気が届いているか自信がありますか?CDプレーヤーやADコンバーターの出力の左右は本当に差がなく出ているでしょうか。DAWのソフトウエアのメーターがそう振れているからといって、アナログ出力が正しく出ている保証はなくて、その先は機材を信じて耳でまあまあ判断しているわけです、大抵の場合。


本当に左右あってるの?ハイレゾの価値ある特性してる?


<パワーアンプの左右のレベルあってる?>
アンプのメモリやクリックの位置は本当に正しいのか。僕がビクタースタジオのメインテナンスにいた頃はついにボリュームをバイパスしていました、ガリも出るし信用できないからです。そして電圧計(ミリボルトメーター)でアンプの出力が左右ともきまった電圧になるように別の方法で合わせていました。

ProToolsもアナログIOにはトリムがついています、経年変化もするし本来は設置場所で接続して環境が安定した段階で正確に合わせるべきです。メインテナンスエンジニアを抱えるプロの録音スタジオではこれを行っています。

<聴こえない高音まで録音するハイレゾ対応>
たとえば96KHzサンプリングの40KHzのテスト信号を出してスピーカー端子にちゃんと音が来ているか。使っているオーディオIOで本当に録れているのか、なども測定しないとわからないのです、うまく聴こえないもんで(笑)。

昔々、オーディオブームっていうのがあって1980年くらいには音楽好きな男子の多くがオーディオにこだわっていて、なんていうか、バイクとか車とかオーディオとか、とにかく男の子っぽくてメカでかっこよかったわけです。
カセットテープっていうアナログな録音メディアにどうやったらいい音で録音できるのか、どのメーカーのテープがいい音なのか。スピーカーはどんなふうに置いたらいい音がするのか、なんてのが今で言う「ザ・テレビジョン」的なFMラジオのプログラムを扱った雑誌なんかで普通に知る事ができました。

デジタル時代になって、繋げば音が出るし、クラウドもあるし、いにしえのオーディオのノウハウなんてどこかにいってしまったそんな時代なんですけども。

えーグダグダ書きましたがultramusic.jpでは音楽制作をレコーディングなどでサポートしています。レコーディングしたいひとも、家の機材の接続が心配なひとも、カモンカモンなのであります。twitterの@kazugooか studio(アットマーク)ultramusic.jp まで気軽にご連絡ください^^。


2014年9月24日水曜日

絶対便利になる日本語フリックユーザーが最初に辞書登録すべき単語とは

iPhoneの日本語フリック入力のまま数字を比較的自在に入力したいと思いませんか?

<日本語フリック入力派ならマスト>
皆さんは日本語フリック入力時に数字を打つ時英数フリックに切り替えていますか?僕はこれを回避するためにひらがなフリック入力モードのまま数字を打てるような辞書登録をしています。
そうです、「あ」「い」「う」の候補にそれぞれ「1」「2」「3」が現れるようにすればいいのです。

<方法は簡単!>
既に辞書登録を活用している方ならもうおわかりですね、まだ未体験の方は、「設定」アプリから「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」に進みます。
設定を開いて一般を開きます
キーボードを選び進みます
ユーザー辞書を選びます


さてここで、読みが「あ」の変換対象に「1」を、以下「か」「さ」・・・「わ」にそれぞれ「2」「3」・・・「0」を登録します。
もうおわかりですね、ひらがなのフリックパッドにテンキーをイメージするのです!
単語と読みの組み合わせを登録して「保存」


<何をどのくらい登録するか>
いくらなんでも数字の組み合わせを全部登録するわけにはいかないので、厳選します。
まずは時刻を書きやすいように0〜9、00、01〜11〜24、加えて30、40、50も飛び飛びに登録、そして100と1000と10000、それと000、0000あたりを登録するといい感じです。

<おまけに登録しておきたい単語>
「」や<>など、かっこの開き閉じを二個セットで登録するとさらに便利。

<まとめ>
自分はこのスタイルを始めてから英数フリックを全く使わなくなりました。ここに書いた分を登録するのにかかる時間は15分くらい。みなさんも是非お試しを。

2014年6月9日月曜日

5分から2曲カウントの件、JASRACに訊いてみたまとめ

 5分から2曲カウントの件、JASRACに訊いてまとめました。
もしも間違いがあったらおしえてください。その都度修正や加筆をしたいとおもいます。



 そもそも何の話かというと、都市伝説のように(そうでもないか?)音楽は5分以内じゃないといけない、みたいな、5分超えるとお金倍かかる、みたいな話があるのでそこんとこ、なにをなんのためにどう気をつけたらいいのか、という話なのですが・・。

 音楽の使用者(たとえばプレス時して商品を作る人)がある音楽をその商品に「何分何秒使ったのか」を申告します。実際にJASRACマークを付ける場合に出す書類ですがそこに4:59と記載すれば1曲、5:00と記載すると2曲扱いになります。長い曲には長い曲なりの価値があるという昔ながらの解釈です。

 JASRACは定価に対してのパーセンテージで音楽使用料を回収します。何曲入っていてもJASRACが請求して、作曲家に支払う(またはプールする*)金額合計は同じです。

 でもって、それを分配する場合、作家陣にJASRAC会員が居なければJASRAC手数料を引いた全額が音楽出版社に支払われ、音楽出版社が決めた分配率で音楽出版社が分配しますので問題ありません。何分であろうと1曲とするもよし、難易度によって1曲づつレートを変えるも全てが出版社と作家の間の契約書に書かれ承諾しあいます。

 一方JASRAC会員には、出版社を通さずに分配される特典があります**。ここで曲数問題が発生します。A面の3分の曲が大ヒットしたけどB面が5分1秒と申告されたらB面の先生はA面の先生の2倍のお金がもらえてしまうという事故です。

 実際の運用としては届けに4:59とあれば調査もなく、1曲扱い、なんの問題も無いそうです。おそらくみんなそうしているのではと予想されますが、それはJASRACの口からは言いにくい、そういう感じでした。でもレーベルコピーだもの、トラックの時間書いちゃいますよね。

 ところでここまではCDをプレスするような場合の話。カラオケ再生は時間ではなく各社(各店?)の演奏された回数とその比率によって算出。またカラオケではカラオケの機械(今ではサーバーっすね)に「録音」するのでそこでの録音権の使用が発生し、それは時間が長いと高くなるそうです。放送やビデオのオーディオでの使用(「演奏」)や劇場での使用(「上演」)では実際に使った時間に比例しますが、この場合申告する時点でユーザーがお金を払う気まんまんということなので調査なども無し、書類どおりの額面・処理のようです。

 ポップスで長さは作曲家ではなく演出の意図として編曲演奏者が長さを変えることができるのに、このルールのせいで作曲家が地味な思いをしないようだといいなぁと思います。以前は放送も1曲は1曲扱いでしたが、みんなのフィードバックによって、使用時間換算に変わりました。4分59秒と5分の溝ももしかしたら解消される日が来るかもしれません、


またはプールする*:出版社からも作者からも届け出が無いが回収された金額はJASRACにプールされ、会員になった作家(音楽出版社)から申告があると遡って支払われます、ただし期限あり。

出版社を通さずに分配される特典**:音楽出版社が無かった時代もあったわけです。音楽出版社から再分配される場合は音楽出版社の取り分を引かれます。

2014年5月15日木曜日

勝手にイヤフォンチェック大会(インナーイヤーイヤフォンをいくつか聴いてきました)

コジマ電気梶が谷店で国産のイヤフォンを何点か試聴してきました。

僕の場合は再生して楽しむというよりもバランスのチェックのために自分のリファレンスとして使う事が多い、というか、生音の印象と激しく違うものは使いにくいので一般のみなさんがオーディオを楽しむ感じとはちょっと違う視点で聴いてしまいます。あくまでも主観ということでお願いしますーー。

再生機はiPhone5、音源はNo-EQ/Compで録音したtoitoitoiの最新の楽曲で。

オーディオテクニカ ソリッドベースシリーズ
オーディオテクニカはとにかくスペースをとってたくさん展開していました。この製品はその名のとおり低音充実、そのぶん解像度が悪いと思いました。唄のこまかいニュアンス、息づかいなどはどうしても薄く、印象は遠くなりがちです。低音大好きな人はチェックしてみて。



オンキョー IEHFシリーズ
比較的素直、インナーイヤーだと音ががっつり前に出てきやすいのですがこれは全体のバランスを聴かせる感じでしょうか。形状がハデですね、ケーブル交換ができるようです。フラットなケーブルは巻き取って鞄などに入れても絡みにくくていいです。メーカーサイトは→このへん


オーディオテクニカ ATH-IMシリーズ
複数のユニットを内蔵したモニター用と銘打った商品です。耳にひっかけて入れるタイプ。音質は思ったよりもモニターらしくないと思いました、あくまでも主観ですが音の分離が悪い、音がねじれた感じというか、ストレートに入ってこない気がしました。でもハイテク感にちょっと憧れちゃいますね。ある程度お値段を出すならケーブルの形状はフラットなほうが僕は好み。メーカーサイトは→このへん


SONY EXTRA BASS シリーズ
名前ほど低音が出ていないというか、「ぼわん」「ぬぉーん」という低音ではなく、むしろきっちり締まった音で、低〜中域の解像度も高い感じがしました。聴いた中では全ての音が前面に出て聴こえるタイプでモニター向き、派手ではないけど具体的な音がすると思いました。リスニング用としては物足りなく感じるひともいるかもしれません。
メーカーサイトは→このへん


オーディオテクニカ ATH-CHXシリーズ
「大口径ドライバーと2つのダクトで鮮やかな重低音。密閉型×オープンエアー型のハイブリッドヘッドホン」だそうです。すいません、うまく耳にフィットできず、正しくチェックできませんでしたので紹介のみ。メーカーサイトは→このへん


オーディオテクニカ ATH-CKM1000
ナチュラルというよりも独特のまとまり感、情報量も多めだけどこの値段なら同社のオープンエアーのヘッドフォンを買ったほうがいいと思いました。高価なだけにちょっと微妙。メーカーサイトは→このへん


オーディオテクニカ ATH-CKNシリーズ
音質的には比較的フラットかな、。なんというか、とても普通。僕は好きです。低音に膨らみを求めるならやめたほうがいいですが。EQで上げれば済むもんね、ってひとには買いやすい値段なのでオススメじゃないでしょうか。メーカーサイトは→このへん


ということで全くの主観ですが、音楽制作で欲しいイヤフォンって決して音楽を楽しく聴かせるものとは限らないのです。その点でSONY EXTRA BASS シリーズとオーディオテクニカ ATH-CKNシリーズはまあまあいいと思いました。
イヤフォンって内側に耳の油やカスがたまってすぐに音が変化します(これをエージングと勘違いするひともいる、それも確かにエージングだけども)のでちょいちょい買い替えられる値段で、聴きたいジャンルやファッションによって複数用意できるようなものがいいんじゃないか、と僕は思っています。音楽をたくさん楽しめるように!

2014年3月30日日曜日

キャノンのプリンターip90の修理

 音楽ネタではないのですが修理記録。

 キャノンのip90というプリンタをもう1台入手したのでマヤちゃんにあげようと思ってたら故障していました。

 ip90は超小型で手提げに入れて現場に持って行く事ができるので重宝します。僕は5年くらいまえに、まにあわず録音スタジオでパート譜を出すことになったときに買いました。しかも、こいつは単体で名刺サイズまで印刷可能・赤外線対応(ガラケーから即印刷)です。



調べるとこいつの故障の原因はほぼ歯車が割れて起こるようです(ip50という機種でも同じらしい)http://81357080.at.webry.info/201212/article_2.html 電源を入れると黄色のインジケーターが点滅してギィィィィイイイっとイヤな音がするパターンはこれです。



<ip90の歯車の修繕方法>

 割れている歯車、接着後ぎゅーっと締めるために小さな穴をあけて



エポキシ系接着剤(2種類まぜるあれです!)を隙間に入れて、針金的なもので締めます。

で、ここがポイントですが、修繕後も歯車の幅がちょっと広くなっていますので、亀裂前後の歯車の歯をすこし削ってなんとなくつじつまを合わせます。手で回してひっかかりが無くなればOKです。

立派にプリントできるようになりました。

治ったからマヤちゃんにあげられますよー。

2014年3月20日木曜日

ハイレゾミックスとDigital Performer での設定のポイントについて

 音楽録音の場合、特に編集時のストレスを考えるとむやみにハイビット・ハイサンプリングレートで録音すると辛い場合があります。

 そこで疑問になるのが録音は16bitでやっちゃった場合マスターを24bitにする意味があるの?という話ですが、これは大変に意味のあることです。

 量子化ビット数はいわば音の大小の表現の階段の数ですが、音源のトラックが1個だけで、なにもエフェクトせずフェーダーもゼロ(ユニティー)にセットした場合以外ではミックスでいろんな音が混ざりある瞬間の音の大きさは16bitで表現できる階段よりも細かな、もっといろいろな値をとることになります。それを16bitで表現できる階段に「まるめた」ものが16bitのマスターなのです。

 試しに極めて小さなレベルの矩形波にかけたリバーブのリリース波形を見て下さい。
この波形はもともとフルビットでしたがフェーダーを-70dBにセットしています。付属プラグインのリバーブ(Proverb)をインサートして内部でバウンスした波形をさらに拡大したものです。


 階段の数が6段くらいしかありません。2-3ビットで表現されていて音で聴くとツーン・・ジジジと歪んでいます。

 これが正しく24bitでバウンスされるとこういう波形になります。綺麗に響いています。

音の細かな部分でこのようなまるめこみを許すのか、いや許さないのがハイビットマスターということです。

  Digital Performer で24bitバウンスをする場合は、バウンス画面で24bitを選んでもダメです。これとても重要!まずセッションの設定を一時的に24bitにしてからバウンス画面で24bitを選択し実行します。セッションが16bitになっているとバウンスへも16bitで計算出力される仕様です(実験済み)。

録音は16bitで行うことも多々あると思います。
操作やファイルの軽さも魅力。

ハイレゾバウンス時、ミックス時にはここを24bitに
しないとバウンスが正しく24bitになりません。
バウンスで24bitを選択

 ところでビット数はまあ理解したとしてサンプリング周波数のほうはどうなのか。これは都市伝説的な間違った理解をされている方もありますが、音はどんなに混ぜても元の周波数よりも高い音は生成されません。理科を学んだ方なら簡単にわかることです。音が複雑になると人間の耳にはどうも「新しい倍音が生まれた」ように錯覚してしまう部分もありますが実際は「歪ませるエフェクト」をしないかぎり倍音は増えません。録音されたサンプリング周波数よりも広げたマスターを作っても無意味。
 ですから安心して44.1KHzか48KHzを選んでよく、96KHzのマスターを作りたいなら96KHzでサンプリングするべきです。しかし、ほぼ耳に聴こえない領域を心配するよりも先に耳に聞こえる領域の情報量を増やすべきだと僕は思います。

 電気的・肉体的には96/24でなくても、ほぼ44(.1)/24だっていいのです。むしろ問題は正しくそれを行っているかであり、いい音楽がいい音で詰まっているかなのかもしれません。しかしマスターの良さはもちろんですが、音楽制作の時間をなるべくハイレゾな環境で過ごすことはミュージシャンにとってもかならず良いことだと思います。そうしていい音楽が生まれてほしいですね。僕も精進します。



2014年2月12日水曜日

ヘッドフォン売り場楽しい!(勝手に国産ヘッドフォン祭りをやってきたので報告)

 さてさて、いやー、ヘッドフォン売り場楽しいですね!実は明日スタジオに来るメンバーが多いのでヘッドフォンが1個足りなくて、だったら試しにいま売っている国産のものから1個選んでみようと思って量販店に出かけたのがきっかけでした。

 ヘッドフォン選びで音楽の楽しさはものすごく広がります。また近年はデザインも値段対性能もものすごくよくなっています。それぞれの機種には音質の傾向だったりデザインだったり、それぞれに魅力があります。まずは量販店などに自分の再生機によく聴く音源を入れて持参してお出かけ、試聴するのが一番いいと思います。楽しいですよー!
 今回僕が使った音源等についてはこの記事の最後に書いておきます。
仕事で使うCD900は発売以降20年、未だに全てのパーツが手に入るので中身は新品!
|MDR-CD900ST 実売価格、1.5〜1.7万円|



売り場にはヘッドフォンたーっくさんある

メーカーごと、モデルごとに音質にもデザインにも明確な個性がある!

 ところで僕はヘッドフォンをレコーディングやミックス、マスタリングのチェックにも使うので一般的なお客さんではく、どちらかといえばめんどくさい客です。音のプロやミュージシャンが使うヘッドフォンに求められる部分はちょっと変わっているのかもしれません。

一般的なヘッドフォン選びでのいい音って?
・重低音が充実している
・きらびやかである
・つまり音楽が楽しく聴ける
・かっこいいデザイン
・イヤーパッドなど保守部品が買えるとか、買い替えが出来る程度の買いやすい値段
たとえばこんなことでしょうか。更に外で使う事も多いでしょうから
・ケーブルの取り回しのしやすさ
・ケーブルのきしみ音、ヘッドフォン自体の風きり音がなるべく無いこと
なんかも音と同じくらいこだわりたい要素でしょう!




プロが仕事で使う道具として必要な条件はたとえば
・ナチュラルなものがナチュラルに聴こえる
・誇張感が少なく、音の違いがきちんと表現されている
・音の細部やノイズなどを聴き取れる解像度がある
・壊れにくい、または保守パーツが入手可能で長年使える
などでしょうか。

 さてここからは勝手にヘッドフォン祭り、たまたま近所のコジマxビックカメラが新装開店してヘッドフォンコーナーがピカピカになっていましたのでそこで試聴しました。ざっくりですが僕が思う傾向と感想を書いていきます。みなさんのヘッドフォン選びの参考になればと思います。尚、店頭になかったYAMAHA 、AKG、BOSEなどもとても気になるところですが今回店頭にありませんでしたので割愛します。Philipsは試聴しましたがせっかくなので国産モデルのみでの話にします。


☆全商品にポリシーが通っているオーディオテクニカ

テクニカは非常に多くのモデルを発売していますが、ヘッドフォンに関しては(イヤフォンは除外という意味で)どのモデルも非常に似通った筋の通ったコンセプトで音作りされています。(尚、僕が聴いた中ではATH-Pro5シリーズはすこし違う音作り、この形状すっごいロングランなので当時のポリシーが生きたままなのかもしれません)

AIR MONITORシリーズ:このシリーズはオープンエアといって振動板の背面が音響的に開いています。大きな振動板が自由に動けるのでとてもナチュラルなサウンドで、装着しても外部の音がある程度聴こえますので家でスピーカーの代わりに使用するのに向いています。圧迫感のある低音ではなく、ワイドという表現がぴったりだと思います。空間の表現が上手でボーカルに付いているリバーブ(残響)がどのように付けられて消えていくのかまでしっかり表現します。装着感もとてもよく軽い!家ヘッドフォンではこのシリーズが優勝だと僕は思います。注意点は背面が空いているのでシャカシャカ音がダダ漏れなことです。電車内での使用には向きません。自宅で大音量を出す代わりに、ちょっとしたコンポの代わりと思えばこのシリーズの最高峰を買うのはアリだと思います。
ATH-AD2000X
|ATH-AD2000X 実売価格、4.4〜6万円|
ART MONITORシリーズ:このシリーズはAirシリーズの背面が空いていないタイプと思っていいと思います。音質の傾向は同じで、少々ナチュラル感が減りますが空間の解像度は高いです。ボーカルにイコライジングされた(音質的に弄られた)感じが無く、ベースラインもよく見えます。AIRと同じく圧迫感のある低音ではないのでそのような目的には向かないと思います。誇張せずナチュラルに超低音まで出ている感で、それはオーケストラを聴くとホールの空気の揺れ、床や空調からの微妙な振動が聴こえてしまうような低音です。ダンスミュージックよりもボーカリストの繊細な声のツブツブまで楽しみたい方にいいかも。
 サイズがおおきいもの中ではハイコストパフォーマンス・ナチュラルでワイドレンジな表現・布巻きのケーブルで高級感もあるATH-A500Xあたりはオススメだと思います。
ATH-A500X
|ATH-A500X 実売価格、0.7〜1.1万円|
AIR/ARTモニターシリーズのような大きな振動板の低音とは:振動板(ダイアフラム、とも言う)が大きい機種の特徴は「ブンブン」言う低音ではなく、さりげなくまんべんなく超低音までまんべんなく出ている感じです。ジャンルによっては低音が足りなく感じると思います。その場合はプレーヤーのイコライザー機能で低音を少し増やしてみるといいかも。
 ちょっと概念っぽいですがこんな感じ、左が低音、右が高音
大きな振動板でナチュラルにまんべんなく低音まで出ている感じ(実測値ではありません)
一方小さな振動板でブンブン低音が出まくりの機種のイメージはこんな感じ
設計で頑張って低音を感じさせている機種のイメージ(実測値ではありません)
その他のモデル:先にも書いたように全てのモデルの音質傾向が同じです。ボーカルはナチュラルでイコライジング感がありません。AirやArtシリーズのよりも空間表現はやや劣りますが、その分低音を近く感じる傾向。2980/3980円で売られているATH-S300/500などのモデルなどはすばらしいコストパフォーマンスです。安くてシッカリした音を求めるならこれイチオシです、使い捨てできる値段ですしね。僕もあとで買いたいです!
|ATH-S500 実売価格、0.3〜0.4万円|



☆モデルごとの音作りに果敢なビクター

僕自身ビクタースタジオ出身で、ビクターの音は歴史的にも派手ではないけれど非常に音楽的である(比較して歴史的にソニーが派手であるというのもあって・笑)と思います。僕も持っていますがウッドコーンのコンポのシリーズなどは本当に素晴らしい仕上がりです!
 ヘッドフォンではどうかというと、よく制御して積極的に音作りしている製品な気がします。鳴らした爽快感というよりも作り込んだ完成度をどのモデルからも感じます。そのぶん伸び伸びとしな鳴りっぷりではなく、iPhone5だとノビノビ感が足りないような、ちょっと禁欲的な感じがしました。すこしパワーのある再生機でがっつり鳴らしたときに急に音楽が面白くなるんでしょう!。
 赤に黒のデザインかっこいいね!



☆ハイエンドモデルがさすがのSONY

レコーディングスタジオ標準のMDR-CD900STを僕も愛用しています。このヘッドフォンは余分な色づけがなく精密な音だと思いますが、その特性の延長でさらに解像度アップしつつ今時の音に近づけようなオイシイ音のモデルがちょっとお高いMDR-1シリーズです。2万円以上払えるならこのモデルかオーディオテクニカのARTシリーズの1000以上を試聴してみてください。
 ちなみにSONYはモデルごとに全く音が違います。たとえば重低音重視のモデルは面白いくらい重低音が出ます!そうやってジャンルごと、好みごとに音作りを楽しんで欲しいといいうコンセプトなんだと思います。僕的にはハイエンドなもの以外はおススメできませんが複数を使い分ける、2個目3個目のヘッドフォンを買うなら中低価格のソニーも十分に選択肢に入ってくると思います。
MDR-1シリーズは精密な音質
|MDR-1 実売価格、2.2〜2.4万円|



☆マジメに作ってるONKYO

ほぼ同じ形状の各モデルですが、ハイグレードケーブルのタイプ、iPhoneコントロールができるタイプ、カラーを楽しめるタイプ、のこれらは形状は似ていますが音の感じがすこし違います。しかしトータルに認められる音質だと思います。レンジはテクニカよりもやや狭く、空間表現もテクニカよりもやや劣る感じもあるけど逆に聴きやすいかもしれません。おそらくいろんなジャンルに対応できるのではないかと思います。デザインがとてもよくケーブルでも選べるのでちょっとこだわることができます。移動で使うのにとてもいいと思います。
3色のバリーションが楽しいES-FC300
|ES-FC300 実売価格、1.6万円|


☆意外とイケてるパイオニアのこれ、邪道とバカにはできない欲しさ!

背面に低音の量をコントロールできる大きなダイヤルがついているふざけた(というかおもしろいというか)モデルを聴きましたがこれが案外よかった!ダイヤルを絞ればフラットで解像度のある音質です。安価なのにこの作為を感じないどうどうとした鳴りっぷりもよろしく、他社の高価なものと比べても十分に信頼できる感じがしました。これデザインもとてもクールです。後で買っちゃいそうなモデルです!

低音をコントロールできる SE-MJ751
|SE-MJ751 実売価格、0.5〜0.7万円|
デザインも悪くない!


☆番外ですがインナーイヤータイプ(イヤフォン)について

イヤフォンもざっくり聴いてみました。1−2年前よりもどれもすばらしいです。
はっきり言って、どうでもいいけど低音が欲しいならオーディオテクニカの低価格なものをオススメします。何故がわからないのですが2-3000円のものは全体的に低音てんこ盛りで、このへんはヘッドフォンとは全く違う音作りなのが面白い、というか面白すぎます!
でもちょっと値が張るものになると低音がキチンとコントロールされていてその分解像度が超アップしてきます。よく試聴して決めるといいと思います。
イヤフォン部門でのオススメはソニーの中価格帯、XBA-H1やXB90EXあたりでしょうか。この辺の音質感が全体に誇張が少なく、解像度のあるよくコントロールされた低音です。
イヤフォンを選ぶときはケーブルにこだわるのも大切だと思います。絡みにくい平べったいケーブルのものが僕は好きです。
XBA-H1
|XBA-H1実売価格、1.4〜1.6万円|

☆総括

1)低音を重視すると解像度が下がります。簡単に言うとモヤモヤぼわんぼわんという音が強くなる分、音や音楽の隙間や空間が見えにくくなる可能性があります。
2)低音を重視して解像度を上げるにはとても工夫が必要で、その結果ナチュラル感のないギスギスした音質に仕上がるのかもしれません、そう思って聴いてみるのもいいと思います。
3)音が作られすぎている商品は何を聴いても同じような音がします。僕はこういう商品は嫌いですが、これを良しとすることも十分にあると思います。私はこういう音が好きなんだ!っていうのがあるかもしれませんね。
4)デザインや使い勝手で選べてたのしいと思います。特に5000円くらいで買えるものなら毎年買えますし、その日の服装や気分、音楽ジャンルで使い分けるのがイマドキではないでしょうか。


☆最後に、エージングと寿命について

エージングというのは使ううちに振動板や可動部分が物理的な変化をして音が落ち着く、優しくなる、よく鳴るようになる、というものです。これは僕の持論ですが、エージングは劣化の一種類です。軽く劣化させるのと同じだと思うべきです。インナーイヤータイプでもオーバーヘッドのヘッドフォンでも使うほどに耳あかや埃、油分などが振動板についてきます。1日1時間使うとしたら半年ほどで特性はかなり劣化しています、しかし音質が劣化したと言うべきかどうかは微妙。それをよしとしてもいいし、買い替えてリフレッシュするかは使うひとが決めていいんだと思います。

 ではみなさん好みのヘッドフォン・イヤフォンで音楽をたくさん楽しんでくださいね!

☆使用音源について

僕はテスト音源として今回まもなく発売のtoitoitoiの名盤、ニューアルバムdonburiの24ビットwavファイルマスターをDropBox経由でiPhone5で再生して試聴開始です。このアルバムはとてもストレートな録音をしています。もちろん今時として音圧を上げるような工夫はしていますが、音を悪くすることを極力せず、そういう意味でとてもナチュラルな録音でアーティストの個性をぐぐぐ・ふふふと引き出した、そんなアルバムです!ボーカルの岸川さんの生声、村越くんのギターの生音を知っているので姑息な音作りのヘッドフォンはすぐに見抜けます。
toitoitoiは「全ての舌打ちを投げキッスに」と言っております。
アルバムについてはここ



 ちなみにtoitoitiのアルバムdonburiは2/26発売、一部店頭で予約されるとなんとライブにご招待されるようです。くわしくはこちらで
http://www.trust-over30.com/index.php?e=151

 そしてちなみに私はエンジニアのできる音楽プロデューサーとしてみなさんのレコーディングをサポートします。お気軽にご相談ください。


デジパフォの裏技(Digital Performerでステレオ素材を2つのモノ素材にする)

いままで
Digital Perforrmer7.x で8.xの新しいプラグインを使う方法
Digital Performer でサウンドバイトをミュートする方法/how to mute soundbite on Digital Performer
Digital Performer の便利コマンド(複数トラックのOutputを一気に変更する)

 などをご紹介してきました。

今回はステレオ素材を2つのモノ素材に変換する方法です。


2つの方法があります。
 僕がこれが必要になるのは、モノ素材が録れない機材で録音した素材をモノラル素材として使いたい場合です、たとえばボーカルをICレコーダーで録音したような場合。本来モノラルである素材をステレオで収録して、これを左右をミックスしてモノラルにするのはピュアではありません。通常マイクを2個立てて録音すると、それぞれのマイクに到達する時間差がかならず存在してしまって、単純にミックスするとこの時間差が音質的に悪さをします。
 一番いい方法は片方のチャンネルだけ使うことです!

<方法1> 
 デ・インターリーブドなファイルを書き出してリネームして再び読み込む
aiffでもwavでもいいので、左右に分かれるファイル形式で保存します。システムはファイル名で左右のペアを認識するのでリネームしてしまいます。僕は片方のチャンネルしか必要がない例で、他方は捨てています。
サウンドバイトウインドウから、エクスポートで書き出します

二つのファイルができました

リネームしていらないチャンネルの素材は捨てました




<方法2>  
 こちらの方法のほうが画期的です、多分!

まずサウンドバイトウインドウでファイルを選び、Edit in Waveform Editorを開きます。

Waveform Editorで欲しいチャンネルの波形をコマンドキーを押しながら選択します(またはコマンドAで全てを選択してから左端のL、R、の部分をクリックする方法でも可能)。

ミニメニューのNew Audio File from Selection を実行します。


これでサウンドバイトにコンバートされた新しいモノラルのファイルが現れます。

ではみなさんEnjoy DPってことでまた!


2014年2月5日水曜日

「AS KNOW ASをつくるひと」音楽を制作させていただきました



As Know As さんの音楽を担当させていただきました。
長く着れる、ロングランブランド、やさしいイメージの As Know As さんなのでオーガニック感があってトンガリすぎないように、音楽が前に出過ぎないように、映画のように、など思って作りました。
制作過程では最初はここにあるような鉄の生ギターではじめましたが途中、監督・プロデューサーといろいろ相談しているうちに一旦ナイロン弦のギターに方向転換、最終的に鉄で落ち着きました。

使っているギターはTakamine、フェル越モデルです。



toitoitoi ニューアルバム『donburi』2014/2/26リリース!、ライブとか特典もあるみたい

toitoitoiは「全ての舌打ちを投げキッスに」と言っております。


toitoitoiの新しいアルバムが間もなく発売になります。
録音経過はこのブログにも経過をときどき記録してきました。
正直いいアルバムになっちゃったと思います。
toitoitoiはこれから更なる発展を遂げる、それを予感すると思います。聴く度にそれほどダイナミックにではないけれど息吹のある、ちょっと地面が揺れてる、地殻変動?何が起こるんだろう感が心に残る・・・んじゃないかと思います(笑)



素晴らしいアーティストと出会ってあれこれ一緒に試行錯誤するのはとても楽しいことです。とても有名なプロデューサーやエンジニア、うんと年上の大ベテランさんであっても、音楽を制作する過程は、これから生まれる何かにわくわくして、どんなに年齢差や音楽の経験値が違っていたとしても次に起こる音楽を想像しきれなくて、いっしょにトライをして感動をしていくものだと思います。
僕は村越くん・岸川さんという人間的にも音楽家としても信頼出来る二人と仕事を出来てとても勉強になったし、なにより楽しかったです。
多くの音楽に絡む人々、いろいろ知っているみなさん、音楽が好きな方々それぞれには、ご自身の好きなミュージシャンと出会い絡んで、働いて楽しんで学んで作品を一緒にアウトプットして欲しいです。そういう事がたくさんたくさん起こる事を祈っているし、僕も繋いでいきます!

どの楽曲をどんな風にレコーディングしたか、そんなレポートもまた書いていきたいと思います!




以下Trust Over 30 Recordingsさん(http://www.trust-over30.com/index.php?e=151)より転載です。


「すべての舌打ちを投げキッスに。千変万化なtoitoitoiのごちゃまぜどんぶりミュージック!」

品番:TOTR-1402 
価格:1500+税 
レーベル:"T"RUST OVER 30 recordings

<収録楽曲>
1.じょうろ 
2.フィールライト 
3.熊本さん
4.Mr. & Ms. Nine 
5.ティンキー・ザ・ラスカル
6.エンディング 
7.パラドクス銀河



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それは、ボーカル岸川のアカペラから始まる7編のストーリー。
少年とは呼べないくらいの少年と、唄が大好きなままの女の子。手を繋いで。
ライブハウス、路上、カフェ。
作り出す空間に立つ、座る、全ての人を絵画を音符を取り込んで。
 一人ぼっちで唄いながら。
 二人で喧嘩をしながら。 
 三人で笑いながら。
 四人で泣きながら。
 五人で喜びながら。
曲によって編成さえ自由に変えながらじっくりと仕上げたdonburiをどうぞ。
toitoitoi、二人のこのお話は始まったばかり。説明のいらない場所へ 黙って行くよ。



【コメント】
優しそうで尖ってて、穏やかなのに激しくて、可愛いらしいのにカッコ良くて。
toitoitoiの魅力を言葉にしようとしても、言葉では言い尽くせないから、また呑みにいこっかー。 (アルカラ 稲村太佑) 

出会ってしまった時の心の揺れ方をもう一度思い出して泣けました。 ( CURIO AJ )

上手いこと書こうと思ってもなかなか言葉が出てきません。地を這うような歌声に泣きそうになります。 ( ghostnote 大平伸正)

ステージ見てても動物みたいだし、歌詞は感受性の強い子供みたい。
そんな岸川が、音楽と戯れて遊んでる内に紡がれた1枚なんだなって、聴いてて何だか嬉しくなるね。天丼、口に含んでパラダイスに行きたいわ。( Jeepta Ba. サトウヒロユキ )


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<購入特典決定>

2/26(水)発売、toitoitoiニューアルバム「donburi」を下記店舗でご購入の方に特典として下記ライブの入場チケットが付いております。
尚、入場時にドリンク代500円のみ頂戴いたしますのでご了承ください。

(特典チケット封入店舗)
タワーレコード渋谷店
タワーレコード新宿店
タワーレコード池袋店
タワーレコード秋葉原店
タワーレコード吉祥寺店
タワーレコード千葉店


【タイトル】
toitoitoiニューアルバム「donburi」購入者限定フリーワンマンライブ(タイトル変更の可能性あり)

【日時】
2014/3/23(sun) 
11:30 OPEN
12:00 START

【場所】
新宿Motion




□HP
warmnoiseinc.syncl.jp 
□email
warmnoiseinc@gmail.com
□twitter
@penny_toitoitoi / @mura_toitoitoi


http://www.trust-over30.com/index.php?e=151

2014年1月18日土曜日

オンラインMA

縁があってCMやWebプロモーションビデオのお仕事を頂いています。広告なのでリリースするまで書けないのが残念です。アパレル系が2月に、人材派遣関係が2月中にリリースします。これは追ってご報告します。映像に音楽を付けたいみなさま、ご相談お待ちしております!!

今日は宣伝します。

僕は自分の作業の余った時間をうまく回したいという理由から音楽向けにオンラインミックスやオンラインマスタリングをいうサービスをしています。(いまではむしろアーティスト活動を応援してあげたい、僕の知っていることでよければなんでも教えて、いっしょに作りたいっていう気持ちが強いです。)

加えて僕の場合は映像のための「選曲」+「効果」+「同録素材」のミックスサービスも行っています。


ファイナルカット等の.omfファイルと小さなQTを送っていただき作業をします。音楽制作が無ければProToolsで、音楽を作りながら付け足すときはDigital Performerで作業をしています。ご存知のとおり映像作品は音の具合でものすごくよくなり、そのわりと短時間でお戻しします、是非ご利用ください。ナレーションも録音できるプチスタジオもあります。




音楽ミックスやマスタリングではここ数年は音圧命!みたいなあまり音楽のことをしらなくても音が大きければOK的な個人サービスもあります。僕はそれもいいけど(そんなふうにもできるけど)アーティストと相談しながら進める派です。DropBoxを使って何回かやりとりしながら音を決めています。音楽を作る僕が自分で言いますが、これわりといいです!興味があったら http://ultramusic.jp でどうぞ。


2014年1月1日水曜日

2013ありがとうございました、2014もよろしくお願い致します☆

みなさま2013年は大変にお世話になりました。
2013年はほんとうにいい年だったと言えます。なにより元気をいただけた、寂しく無いすばらしい一年でした。

 音楽業界ではDIY化・インディー化が進む中、4年目のTOKYO BOOT UP!に参加させていただき、若いミュージシャンのみなさんと出会うことができました。
ソーシャルおじさんの徳本さんなどにお声がけをいただき、商売的には厳しいここ数年でありながらもいつも工夫し果敢で元気な人たちと出会うことができ、僕も元気が出ました。
 ヒマナイヌの川井さんはじめヌケのいい発言やご活動をタイムラインで拝見し時に話で絡ませていただいたのも自分にとっては栄養でした。
 toitoitoiとはレコーディングをともにすることができました。ディレクター不在のインディーシーンでアーティストや制作者がともに育ち合うような経験を積み2014年はきっとブレークするのでしょう。
 高校の全クラス同窓会で、隣りのクラスの久保田くんスワロウテイルのプロデューサーだったと知り、同期には総合病院の外科部長はじめこれまた果敢な仲間がたくさんいることがわかりました。
 on-doの幡谷さんのおかげで岡山のアイドルS-Qtyのボーカルダビングを手伝わせていただき、Soulifeの素晴らしい楽曲のマスタリングをさせていただくことができた他にもかっこいいアーティストと出会うことができました。
 魚山監督のドキュメンタリー映画の音声を手伝わせていただいて大変に感銘、感動することを一生懸命やるひとたちでした。出演の中学生や先生も!
 映画といえば古新監督のドキュメンタリーではスタジオを紹介しただけなのにクレジットしていただいて申し訳なかったです(笑)
 新井さんの映像で社会貢献をするPVプロボノというプロジェクトに音楽と音声作業で参加させていただき、スタッフのパフォーマンスに感動しつつ、クリエーターの熱意にも感動!1月の内閣府イベントがとても楽しみ!
 東京ガスのwebCMサウンドロゴ、As Know Asのwebムービー、YUPITERUのカーナビCMサイバーショットのwebCMなどをやらせていただき、周囲のアーティストのみなさんにも大変にお世話になり、それぞれ映像監督、音楽の吉田巨匠などに勉強させていただきました。
 元某女子有名フォークトリオのミキちゃんにガムランボールをもらっちゃって感動、ありがとうございました。

 走り書きでもどんどん出てくるってことはやっぱり2013年は濃い年だったのだと思います。きっとあとで追記しますけども。。

 新年はもっともっと頑張りますし、もっとみなさんのお世話になれるように繋いで繋がっていきたく思います。

 2014年もどうぞよろしくお願い申し上げます。