2013年7月5日金曜日

古いアンプ Musical Fidelity A1 のメインテナンスをしました

Musical Fidelity A1 というプリメインアンプの修理をしました。

数年前にオークションでゲットしましたが大音量でちょっと定位がゆらゆらするので放置していました。パワー段を引っ張るコンデンサの容量抜けが原因でしょう。

このアンプのスペックは→こちら



このアンプはとてもシンプルな回路設計のA級増幅を採用しています。A級増幅ゆえ温度上昇が激しく、自分の熱でコンデンサーの特性劣化が激しいと言われています。他のみなさんの例と変わらずのメンテナンスです。

ところで古いシンセを触るときも同じですが僕はメインテナンスのコンセプトとして、あまり「改善」をしないようにこころがけます。発売当初には世の中に存在しなかった高性能なパーツがいまではいろいろ手に入りますが、そういうものをつかった「バージョンアップ」的なことはあまりしない。基本は復元であり、当時の味のまま(なんなら若干劣化も楽しみながら)がいいと思っています。

修理項目は以下

・プシュプル動作をさせる回路に電源をサプライするための大容量コンデンサーを交換
・電源部分の整流用ダイオードを交換
・入力セレクターのスイッチクリーニング
・電源ケーブルが見た目チープなので交換

この程度のシンプルな作業とします。

左端のパンパンに膨らんだ電解コンデンサーを見よ!

今回のメインであるコンデンサーはこれ。上の写真の左端でパンパンに膨らんでいるのがわかるでしょうか?時代とともにパーツはサイズも小さくなっていて交換済みが下。

普通の10000μF/25Vの電解コン、1個500円 x 4 使用
そして電源ケーブル。厚い被服の普通のケーブル、パソコンなんかについてくるやつですね。12mm径のケーブルだとそれを止めるブッシュがちょうど既存の穴にハマります。穴あけ不要♡。ちなみに電源ケーブルは外形は立派になりましたが導線自体の径はかわっていないので改善にはなっていません、見た目だけ立派に。高級オーディオ向けのケーブルは多々ありますが、とりあえず芯線の断面積の多いもののほうが有利でしょうね。
ケーブルは家にあったやつ・12φ用ブッシュは160円
整流用ブリッジダイオードのどれかが完全導通しちゃうトラブルが多いらしいのですが、チェックしたところ4個とも活きていました、が交換しました。1000V/32Aのブリッジに差し替え(320円)。ちなみにいまは電圧降下のすくないいいダイオードが出ていますが、今回のコンセプトは復元なのでそのような部品は使いません。

スイッチのクリーニングは、悪魔の「接点復活剤」。この手の商品でクリーニングすると部品に油が残り、それ自身が皮膜になりまた接触不良を起こします。なので「シューッとぶっ込んで・可動部分を死ぬほどカチカチ動かし・無水エタノールで流す」でいきます。スイッチやボリュームというものは使っている間は自己復帰作用があるのでそんなに問題が出ないものなので直したら使うことが大切。

外した部品たち、残骸ですね
本当はプリアンプ部分のカップリングコンデンサも変えるといいし、パスコンを足すといいと思うのですけど今回は割愛。2500円でまあまあスッキリしました。

死なないんだろうけど熱いので清音なファンでご機嫌なA1
作業が終わったらスピーカー端子に直流電圧がでていないかをテスターで確認するのを忘れない。たいていのものが壊れても煙が出ても死なないけどスピーカーを飛ばすのはダメージが大きすぎるので。

さて音出しです。
A1の出力はたったの20W+20W/8Ω ですが音はぶ厚いです。ぐぐっと押してくる感じの、アンプ本体同様に熱い音がして、このアンプのファンが多いことにもうなづけます。
部品点数が少ないので修理もそんなに大変ではない、とてもいいアンプです。

オークションに出てたら買いましょうね。

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