数年前にオークションでゲットしましたが大音量でちょっと定位がゆらゆらするので放置していました。パワー段を引っ張るコンデンサの容量抜けが原因でしょう。
このアンプのスペックは→こちら
このアンプはとてもシンプルな回路設計のA級増幅を採用しています。A級増幅ゆえ温度上昇が激しく、自分の熱でコンデンサーの特性劣化が激しいと言われています。他のみなさんの例と変わらずのメンテナンスです。
ところで古いシンセを触るときも同じですが僕はメインテナンスのコンセプトとして、あまり「改善」をしないようにこころがけます。発売当初には世の中に存在しなかった高性能なパーツがいまではいろいろ手に入りますが、そういうものをつかった「バージョンアップ」的なことはあまりしない。基本は復元であり、当時の味のまま(なんなら若干劣化も楽しみながら)がいいと思っています。
修理項目は以下
・プシュプル動作をさせる回路に電源をサプライするための大容量コンデンサーを交換
・電源部分の整流用ダイオードを交換
・入力セレクターのスイッチクリーニング
・電源ケーブルが見た目チープなので交換
この程度のシンプルな作業とします。
左端のパンパンに膨らんだ電解コンデンサーを見よ! |
今回のメインであるコンデンサーはこれ。上の写真の左端でパンパンに膨らんでいるのがわかるでしょうか?時代とともにパーツはサイズも小さくなっていて交換済みが下。
普通の10000μF/25Vの電解コン、1個500円 x 4 使用 |
ケーブルは家にあったやつ・12φ用ブッシュは160円 |
スイッチのクリーニングは、悪魔の「接点復活剤」。この手の商品でクリーニングすると部品に油が残り、それ自身が皮膜になりまた接触不良を起こします。なので「シューッとぶっ込んで・可動部分を死ぬほどカチカチ動かし・無水エタノールで流す」でいきます。スイッチやボリュームというものは使っている間は自己復帰作用があるのでそんなに問題が出ないものなので直したら使うことが大切。
外した部品たち、残骸ですね |
死なないんだろうけど熱いので清音なファンでご機嫌なA1 |
さて音出しです。
A1の出力はたったの20W+20W/8Ω ですが音はぶ厚いです。ぐぐっと押してくる感じの、アンプ本体同様に熱い音がして、このアンプのファンが多いことにもうなづけます。
部品点数が少ないので修理もそんなに大変ではない、とてもいいアンプです。
オークションに出てたら買いましょうね。
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