2013年12月22日日曜日

デジパフォの裏技(トラックウインドウで複数トラックを上下に移動する)

これまで複数チャンネルのinput/outputをいっきに変更する・サウンドバイトのミュート・全てのフェーダーをいっきに上げ下げなどマニュアルに載っていないけど便利なショートカット/機能を書いてきました。まだ読んでいないひとはこのブログ内で検索してください。

今日は先日twitterで @smallwestKonishi さんからリクエストされて確認した新しいショートカットを書きます。この辺のネタは海外のサイトで話題になっているもので僕が発見したわけではないのですが・・・。

さてトラックウインドウで複数のトラックを上下にレイアウトしなおしたい場合です。一個ずつならマウスで動かせるのですが・・

1)まず移動したいトラックをセレクトします。

2)Control+Homeを押すと選択したトラックが上に、Pagedownで下に移動します。
 (MacBookでのHome/Pagedownはfnを押しながら↑↓です)

3)ほらできた。

という感じでDigital Performer、いいDAWですよー!
僕が知っている限りお教えしますのでこれからもよろしくお願いします!

ultramusic.jpではインディーはじめアーティストのみなさんの音楽制作・レコーディングなどをサポートしています。録音からマスタリングまでなんでも相談OKですよー!

ユピテルのカーナビのCM/WEBプロモ

ユピテルのカーナビのCM/WEBプロモーションの音楽をやらせていただきました。

コストパフォーマンスの高そうな商品です。僕は4年くらいまえのソニーのポータブルカーナビを使っているのですが電池が終わっています。欲しい。。。

今回は打ち合わせからMAまで1週間ほどでしたが提案から修正など5回くらいを経て完成。

今回は監督・クライアントのご希望に答えるためマルチトラックで持ち込んで現地でミックスしました。こういうの楽しいです!音楽好きなクライアントさん・スタッフさんなら僕は標準で対応します、音楽の手の内(可能性)を見せながらみんなで作り上げるのはとてもいい方法だと思います。
MBP/DP7.24/UltraLiteの組み合わせ
手順としては
・クライアントオリエンテーションというか打ち合わせをしまして
・イメージを音にしつつボーカリスト探し。
・音楽のイメージを映像監督とツメてはメールする日々
・スタジオでボーカル素材を録音(なんとクライアントさんまで立ち会い!)
・自分のスタジオでオケ修正、ボーカル編集
・MAスタジオでCMバージョンの最終のオケミックス(監督・クライアントのご希望に答えるためマルチトラックで持ち込んで現地でミックス)
・VPバージョンのオケアレンジと貼付け

山岸舞彩さんファンのみなさまもこれどうでしょう。




ボーカルは「猫十字社」の吉澤池亜美さん(http://twitter.com/nekojyujisya)、どうもありがとうございました!

猫十字社のオフィシャルサイト:http://nekojyujisya.com/

2013年12月19日木曜日

♪ピピッとコンロ♪ by 岸川まきさん

東京ガスさんの「ピピッとコンロ」のwebサイトの音楽を制作させていただいています。テレビじゃなくてwebのほうです!webサイトにいくといくつかあるのですが、その中でこのクッキングのサウンドロゴを岸川まき(@penny_toitoitoi)さんにお願いしました。僕の音楽制作の仕事なのですが、お客さまに喜んでいただける仕事ができるのは本当にミュージシャンのみなさんのおかげです。嬉しい!

ここクリックで再生ページを表示します
これは岸川さんのレコーディングと同時期の仕事だったのですが、岸川さんが快く引き受けてくれて、これ岸川さんでやったらきっとこれは耳にひっかかる(もちろんいい意味で!)と思って先方にご提案して一発OKが出たのでした。その後もとても評判がよいです、岸川さんのおかげ、どうもありがとう!!

映像のための音楽制作をいろいろしていますが、なるべく自分以外のアーティスト・音楽家の皆さんのお世話になるように心がけています。そのほうが広がるし楽しい!予算の都合でお願いできるものは限られてしまうのですが、これからもよろしくお願い致します!


そしてultramusi.jpでは工夫して低予算でいい録音をしたり、ボーカルレコーディング、オンラインマスタリングなどでみんなの音楽制作に協力をしています。別サイトがあります→こちらでよろしくお願いします。

岸川さん(toitoitoi)も載せておきましょう!貴重なストリートバージョンで。




2013年12月14日土曜日

デジパフォでトラックの色をいっきに変える方法

またDPの裏ワザを載せましょう。
作業していくうちにいろんな色のトラックができてしまって、あとでギターだけ青にしたいとか、唄は赤とかにしたい。黄色は視認性が悪いのでやめたいわけです。

複数のトラックの色を変えるには
1)同じ色にしたいトラックを選択します
2)t のキーをダブルタップして[tt]
3)いつものようにパレットで色を変えます(おお!っと感動しましょう)
4)tのキーをシングルタップしておきます[t]


以上です。

DPは操作性がよいのでなかなか他のDAWに移れません。ビクタースタジオ時代に米光亮さんにperformer1.0を紹介していただいたのをとても感謝しています。

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2013年12月12日木曜日

デジパフォで全てのフェーダーをいっぺんに上げ下げする方法、他

作業をしていて、バランスはそのまま全トラックを1dB下げたいとかありますよね?グループ組むと面倒なことになるし、マスターで下げるのでは意味が違う、っと。


ボーカルダビングしようと思ったらオケが大きすぎて、みたいな場合とか、マスターフェーダーで絞らなければならないほど各チャンネルのフェーダーを上げすぎていて、このままのバランスで下げたいとき。

魔法の呪文は[wのダブルタップ]です。[ww]とキーを叩いてください。この時点からフェーダーを触ると全てがトリム的に追従します。解除は[w]です。

僕はこれをとてもよく使います。

<注意点がひとつ>
バランスそのまま、という意味では[ww]で上げ下げした後にaux系とマスター系はゼロに戻してあげるのが正しいでしょう。プラグインシンセはmidi送りとリターンの両方が下がる場合があるのでこれも注意です。

過去ブログもご参考にどうぞ
Digital Perforrmer7.x で8.xの新しいプラグインを使う方法
Digital Performer でサウンドバイトをミュートする方法
Digital Performer で複数トラックのOutputを一気に変更するには

んじゃ、エンジョイdpっつーことで!

役にたった方は他の方のためにぜひRTしてあげてください。

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音楽制作・エンジニアリングについての忘れない言葉

自分が大きなスタジオにいたときに出会ったひとたち、聴いた音、巨匠たちのほんのひと言ふた言のヒントは自分の制作案件でも、他のアーティストとのコワークにおいてもとても役立つことばかり、忘れてはいけないことばかりです。一部を書いてみます。

「これいいマイクなんでしょ?だったらいい音が録れるはずでしょう?」
ずっと昔トランぺッターの近藤等則さんが登戸にスタジオを持っていてそこでドラムを録音したときにドラマーの山木秀夫さんが言った言葉です。スネアをダビングしようとしていたんですが、山木さんが叩いていい音だと思うところにノイマンのU-89を立てては録音してプレイバックを繰り返し、やっといいセッティングを見つけました。

「ミックスバランスが悪いんじゃない、うまくいかないときはアレンジが悪いんだ」
当時アレンジャー・プロデューサーだった伊藤善之くんの言葉です。これはかなり強く胸に染みて、実際自分でカンパケまでやるときなどはアレンジとエンジニアリングの同時進行なので意識しないのですがとても大切なルール!以前は自分がアレンジャーとしてミックスに立ち会うと「これ上げて欲しい」「これ大きすぎる」みたいなオーダーをエンジニアお願いしまくっていましたが、その節はすいませんでした。僕のアレンジが未熟だったのだと思います。伊藤くんは今ランティスの偉い人です。

「ミックスのときは歌詞カードを見ない人が歌詞をちゃんと聴き取れるか」
基本なのだと思います。ビクターで小泉今日子などを担当していたの田村プロデューサーがぼそっと言っていて今も自分の中でいつも繰り返し響く言葉です。セールスにも直結するだろうし、作家の意図が変わってしまう場合もあるでしょうね。

「コードチェンジの頻度を変てみなさい」
平井夏美先生が僕の曲を弾きなおしながらそう言いました。コードのパターンが少なくてもAメロとBメロでコードを倍でチェンジしたり半分にしたりすることで音楽に展開感を得る事ができます。これは編曲でも、作曲するときにもものすごく役に立つノウハウです。先生は「瑠璃色の地球」や「少年時代」を書いています。

「歌の音程が気になるときは小さくするともっと気になる」
TPDの産みのお父さんである清水彰彦プロデューサーと太田エンジニアで体験して結論しました。人間の耳は見つけた音にフォーカスして追尾します。それが小さく消えて行く音だとさらにそれをチェイスするようです。それ以来ミックスでは歌を大きめにするようになりました。

「ユニゾンは最強のハーモニー」
ベートーベンが言ったそうです。音楽では同じ音程は「1度」のハーモニーです「0」ではなく「1」としての価値のある音です。クラシックでもユニゾンは基本、モータウンやフィラデルフィアのストリングスサウンドはユニゾンが基軸にあります。かっこいい!市立ながら恵まれた須坂市立旭ヶ丘小学校で吹奏楽を持っていて僕はトロンボーンを吹いていました。顧問の岩崎先生が「ベートーベンがそう言っている」と教えてくれました。チューニングをするために「ポー」っとみんなで音を出すのですが、それが美しくなくてイライラしていたのでしょう。

「うまく合っていなくてもユニゾンは最強のハーモニー」
僕が(誰もが)SMAPを聴いて思うことです(笑)でももちろんアーティストもスタッフも大変に頑張っているのをよく知っています!

僕はもちろん名のある一流のレコーディングエンジニアでも名人でもくて、先輩にも友人にも名人エンジニアばかりがいるので本当は恥ずかしいのですがそれはさておき(笑)、自分は自身がミュージシャンとしての作曲や編曲から仕上げまでやってきた経験と大きなスタジオにいた間に得た貴重な経験ノウハウでアーティストとつき合っています。

2013年1月発売予定のtoitoitoiのアルバムデコーディングがほぼ終わりつつあります。
優れたアーティストと仕事をすることは本当に楽しく自身のためになります。自分が当たり前に知っていて言うまでもないことがアーティストのヒントになることもあったと思いますが、その逆もたくさんあってとても刺激的な毎日でした。

ああだこうだいいながら一緒に実験したり、違うコードを提案したり録音とプレイバックの繰り返しで。アーティストは自分の演奏や変化を確認し、さっきより良くなる方法を知ってしまい、ミックスをチェックする間に耳も良くなってしまったようで驚いています。レコーディングで得られる経験値ってものすごいものがあるみたいです。

こんなコワークに興味があるアーティスト・制作者のみなさん、まずは是非ケロスタに飯を食いにきてください。

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2013年12月11日水曜日

Digital Perforrmer7.x で8.xの新しいプラグインを使う方法

MOTUのデジタルパフォーマでバージョン8に上げずどうしようかなぁって思ってる人多いと思います、僕もその一人です。でも8からはよさげなプラグインが充実してきているではないですか!大丈夫です7.24などでも新しいプラグインを使えますので!

<方法>
1)いつものマシンにDP8をインストール、お試し版として試用して終了する
2)DP7を立ち上げれば既に新しいプラグインがインストール済み
3)使う

<ただし注意があります>
DP7.xでmp3書き出しのためにLIMEプラグインを入れている場合、これを認識しなくなってしまいます。その場合、DP7.xを上書きインストールしてください(dp8のプラグインは失われません)。上書きはたとえば7.24のアップデータを実効するでもOKです。そのあと7.xxのオーソライズが必要です。

dpは付属の音源プラグイン的には驚くべき貧弱さですが(他製品社に付属またはバンドルされてる音源も案外どうってことないとは思いますが数だけはそろっているので)そこはお金をかける必要がややあります。しかし操作性、精密性、motu製のオーディオインターフェースを使っているときの便利さ、音の良さは格別なものがあります。

別記事もよろしくです!
Digital Performer 複数トラックのOutputを一気に変更する方法
Digital Performer でサウンドバイトをミュートする方法

Digital Performer でサウンドバイトをミュートする方法/how to mute soundbite on Digital Performer

実はDigital Performerにはサウンドバイトをミュートする機能があります。

わざわざMixでミュートするのもめんどくさいし、その場に置いておきたい、でも音は出したくない、そういう事めちゃありますよね。ProToolsだとコマンド+MでOKですがDPではどうやるのか。

正解はcommandを呼び出しショートカットを自分で登録するです。こんなに便利な機能にショートカットが割り当てられていないのです。

ここではミュートに[-]キーを、ミュート解除に[^]を割り当てています。


こうすることでサウンドバイトがミュートできるようになりました。
サウンドバイトを選択して先ほど設定した[-]キーを押すとグレーっぽい色になりミュートされます。
普通のサウンドバイト

右がミュート中のサウンドバイト
色の設定によっては見にくいかもしれませんね。

ではエンジョイDPっつーことでよろしくお願いします!

2013年12月10日火曜日

リファレンスモニター

録音はまっすぐなにもいじらないのが一番音が良くて、EQだのコンプだのはすべて音が悪くなることと引き換えのテクニックです。
でもミックスする都合、お互いをうまく避けあったり、多い楽器のなかからそれぞれの抜けを良くするためにどうしても音質やダイナミクスを弄ることになるので、その具合を見極められるモニター環境が必要になります。
ミックスのバランスは再生環境によっても聴こえ方がちがうのでなにを頼りにするか、みなさん悩ましいとおもいます。僕も楽しく悩んでいます。

自分の道具はまずこれ。持ち運びができるのが最大の利点なのと、イヤフォンで再生されることってとても多いので最終チェックではマストです。
CD900はヘッドバンドが緩くなると低音がスカスカになるのでイヤーパッドとヘッドバンドを定期的に変える必要があります。実はユニット交換よりもずっと大切です。
(MDR-CD900のDIYメインテナンスについてはこちらに書いています)
イヤフォンは低音が誇張されすぎないものならなんでもいいのです。買い替えやすい値段で何を聴いても同じ低音に聴こえるイヤフォンを除外したらこれになっています。

スピーカーはこんなの。

ベースの低いラインも見逃さないために家庭用にしてはすこし大きめでバズレフのもKRKを250Wくらいのアンプでドライブしています。前に出てくるタイプのモニターセットです。

CDプレーヤーも必要。これは死ぬほど熱の出るA級のアンプと中くらいの密閉型のスピーカーで密度があってて締まりのいい音のセットになっています。

もうひと組はリスニング用の緩いセット。置き方もテキトーで、60Wくらいの中クラスのコンポで鳴らしています。
B&Wは奥行きやリアリティーのある音を出します。存在感が手前に出る感じやリバーブが奥に消えていくような様子が見えます。音数が多い曲などでキックが締まり過ぎていないかもこのセットだととても良くわかる解像度のいいスピーカーです。

王道は無いというか、音っていったいなんなんだろう、めんどくせーって思いますよね。

あ、スピーカーは壁から最低20-50センチ離して設置しましょう。低音の解像度がグッと良くなるし、隣家への漏れも減りますしね(笑)


2013年12月9日月曜日

toitoitoi ニューアルバムMIX進行中

いい音楽の仕事に携われることは本当に嬉しいし生き甲斐かも。toitoitoiは音楽性も高いのでもちろん、これがミュージシャン的にもっと初心者であってもクリエイティビティーがあるプロジェクトは全て楽しい!逆に目的がないとなかなか追い込めないですよね。
チェックに余念のないtoitoitoi 岸川まきさん

さてtoitoitoiは当初の予定をやや押しながらもメンバーの選曲が済みミックスも佳境です。

M.O.T.UのDigital Performer 7.24で作業・プラグインはいろいろ

FSを48KHzで落とすか44.1KHzで落とすか、16Bitなのか24Bitなのかなかなか悩ましいのですが、今回はプロジェクトを44.1Kの16Bitで行いました。48KHz→44.1KHzのサンプリングレートコンバートってどうも信用できないからです。多くの方々は48KHzでやっていて、いいモニター環境で録音の作業をしている間は48KHzのほうが生々しさがあっていいんですがMixからマスタリングの領域ではコンバートのクオリティーが謎な限り僕は44.1KHzでいいと思っちゃう派。いずれハイレゾ配信をするとか思ったら48/24なんですかね?

どれもとてもいい曲なのでみなさんお楽しみに。

あれ?曲順は決まったのかな?

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2013年11月13日水曜日

朝活レコーディング

学校や仕事に行く前にさくっと歌を録音するのはアリ!
朝って声が出ないんじゃないかとかもあるけど体は夕方よりも元気で、うまくコンディションを合わせると音楽にとても向いているんじゃないかと思った今朝の朝レコーディングでした。
toitoitoi 岸川さん「めっちゃ調子いい、ここでやめるのもったいなスギ!」といって飛び出していきました。よい一日を!
眠いわけではありません、プレーバック中です!

朝と言わずご相談は http://ultramusic.jpで。
サンプルもお送りします。

2013年11月12日火曜日

toitoitoi / パラドクス銀河 録音秘話?

先月発売になったtoitoitoi 「パラドクス銀河」の制作秘話が「往復書簡」的に公開されています→ここ。アルバムは全編リハスタとケロスタ(僕の自宅の作業スペース)をうまく使って制作しました。


11/8のTOKYO BOOT UP!のステージはすごくよくて岸川まきのボーカルはフロアを圧巻。ちょっと目頭が熱くなるくらいに良かったです。

やっぱりライブは最高!CDよりライブがいいな、って言われるとわかるけど、でも悔しい僕です

アーティストがライブで放つエネルギーをそのままCDに収録するにはライブを録音するしかなくて、録音物を作るにはライブとはまた別のエネルギー注入作業が必要です。そういう意味でtoitoitoiも、僕もようやく掴んで来てこのミニアルバムが完成。そしてこのあともフルアルバムを完成させることになります。ライブとは別に、皆さんがいつも音楽プレーヤーで持ち歩いて心が暖かくなるような音源がこれからもどんどん出てきます。
ご期待くださいね!




oitoitoi / パラドクス銀河
品番:TOTR-1305価格:500yen
1. パラドクス銀河 / 2. 美咲 / 3. ペネロポ
ライブ会場と"T"RUST SHOP限定で発売!










S-Qty 4th.single 『Dear Future~未来のボクへ~』発売!

S-Qtyの4th single  『Dear Future~未来のボクへ~』が11/12店頭に、11/13に発売されます。ボーカルレコーディングと打ち上げミーティングとマスタリングに参加させていただきました。
4th.single  『Dear Future~未来のボクへ~』

・01.Dear Future~未来のボクへ~ ・02.Soldier <Sisters Remix> ・03.クリスマスマイル!!   ・04.Dear Future~未来のボクへ~ <off vocal ver.>   Sound produced by : Soulife All songs witten by 河田総一郎(Soulife)All tracks arranged & programming by 佐々木望(Soulife)
品番:SQTY-1005

東京でのイベントに合わせて9月と10月の2回に上京されたときに分けてボーカル録音をしました。我がケロスタにアイドルがやってきた!
S-Qtyめちゃかわいい、しかも性格がいいし、お土産にきびだんごもくれました。もちろんお供しますよねー!
レコーディングのあとはもちろん打ち上げです、忙しい中ほんとうにご苦労様です!

朝香ちゃんも愛理ちゃんもすごく感覚がよくて、ボーカルの新しいアイディアも聴いたらすぐ憶えてやってみせる。朝香ちゃんのウエットな声質と愛理ちゃんのクールな声質は互いに補間しあっていてこれはいいです!

S-Qtyって楽曲とか言葉とかがすごくいいと思うのだけど、これは作詞作曲・ディレクションの河田総一郎(Soulife)さんのまとめ力だと思います。河田さんは音楽そのものみたいな人で、楽曲も歌詞も共感するし、レコーディング中もスタッフさんやみんなのアイディアを取り込んで増幅するのがすごくうまい、そんなことで作品はさらにS-Qtyらしくよりよくなって行く感じでした。

S-Qtyのwebsiteはこちら

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2013年9月7日土曜日

SONYのヘッドフォンCD900のイヤーパッド交換・DIYメインテナンス

みなさんのMDR-CD900STこんなふうになっていませんか?
買い替える必要は全くありません。

3年くらい使ったCD900のイヤーパッド

CD900を使っている方は多いと思います。僕も一般発売される前からずっと使っています。(開発したSonyの坂本さんのところに行って譲ってもらったのでした、当時赤坂のビルにいらした、懐かしい。)

このヘッドフォンの魅力は無駄に出過ぎていない低音、中域の解像度、長過ぎないケーブルとかいろいろあるんですが、最大の魅力は20年たっても使えるメインテナンス性と保守パーツの供給サービスだと思います。イヤーパッドやドライバーユニットは交換する度に微妙に音質は変わってしまいますがしばらくで慣れてリファレンスとして使えるようになります、僕の場合。

今回はイヤーパッドを交換します。イヤーパッドは「消耗品セット」と呼ばれ、左右のイヤーパッドとその内側についているウレタンリング一式で1500円ほどです。みなさんはユニットがヘタると思っているでしょうけれど、音が歪んでいない限り音質劣化の最初の一歩はイヤーパッドです。
消耗品セットの片チャンネル分
ウレタンリングは溶けてつぶれてユニットに流入している場合も!
イヤーパッドを脱がせたらウレタンリングを剥がします。ボロボロになったウレタンがユニットの穴に入ったりしていないかよく確認して爪楊枝や綿棒で掃除、溶けた成分や油分は無水エタノールなどでよく拭き取ります。
ウレタンリングとベースのノリ部分を丁寧に剥がす
そしてリングを貼ります。さっきまでぺちゃんこだったこの部品はこんなにキリッっとしていたのです、音が違うにきまっていますね!
ウレタンリングを貼りなおしたCD900
そして新しいイヤーパッドをキリキリと着せていきます。なかなかのタイトさですが丁寧に着せてあげれば完了です。

ここまででハンダ付け無しでできますのでCD900を1年以上使っているひとは今すぐやるべきです。ほんとうに新品の使用感になります、音もぐっと良くなります。


--ここから先はちょっと高度--

で、ヘッドフォンの左右の圧着で低音の量感が変わります。頭髪が当たる部分の仕上げも劣化してきているのでここを交換してみます。
これがヘッドバンドアッセンブリー
中に一個入っちゃうくらいヘッドバンドが伸びてしまっています。最初はこんなにシマっていたのかぁぁ。
ヘッドバンドは経年変化で伸びてしまう
ヘッドバンドを交換するには半田付けの作業が必要です、あとプラスドライバー。
ハンガー部分にケーブルが通っているんです
ちなみに、左右のユニットを吊っているハンガーが折れちゃったことがあって、これもパーツで買えるので我慢してはいけません、はい、これ。



というわけで我が家のCD900が2台蘇りました。これでアイドルちゃんが来ても恥ずかしくない!

このイヤーパッドパーツとスドライバーユニットはよくPAエンジニアさんが使っているSONYの折りたたみ/カールコードのMD7506にも使えます、正規な方法ではないと思いますが我が家の7506はCD900のパーツでリストアされて、いわば折りたたみ式CD900になっています。

パーツの入手先は「メイクアップカンパニー」さんが便利です。
丁寧で優しいし九品仏/自由が丘から徒歩で直接もらえるし通販もしています。電話するときは「佐野さん」を指名して下さい。

ちなみに秘密ですが(笑)僕のCD900は他のソニー製品のようにミニステレオプラグ仕様でねじ込み式のアダプターです。


ということで今日はCD900のメインテナンスについて書きました。





問い合わせがありました件、佐野さんのところでもやってくれるはずですが、ご希望があればウチでも修理致します。
twitter: @kazugoo 、または kazuguis(あっとまーく)gmail.comに連絡くださいませ。

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2013年9月6日金曜日

Digital Performer の便利コマンド(複数トラックのOutputを一気に変更する)

Digital Performerを使っていると、複数トラックのOutputをいっぺんに変更したくなる場合があります。ProToolsではOptionキーを押しながら変更することで全チャンネルの変更が可能ですがDigital Performerにはこの機能がありません。

と思いきや、これができるのです。
1)トラックWindowで複数のトラックを選択する
2)Option押しながらa をタイプ
こんな画面が出てきます。マニュアルに載ってる?

DP7.24で複数トラックを選択してOpt+aを押してみると・・
3)目的のOutput/Inputなどを選択して「OK」をクリック

※ただし、プルダウンメニューには一旦使用したIn/Outしか出て来ません、全部出てきたら大変な量になるからでしょうか、この辺はDPでオーディオを使った事のある人なら覚えがあるでしょう。

別のマシンで仕事をしたり、違うオーディオインターフェースを使ったときにこれがとても必要になりますよね。

The Mark Of The Unicorn社(以後MOTUと書きます)のDigital Performerは最も優れたDTMソフトエアの一つです。特に10キーで行うトランスポートコントロールの便利さ、MOTU社製のオーディオインターフェースを使用している時のモニター環境の秀逸さなどのおかげで僕の場合はMIDIに関連する事、オーディオの録音についてはすべてDigital Performerで、Mix以降は場合によってProtoolsを使用するという具合です。
ついにDigital PerformerからはWindowsにも対応しました!新しいLogicも気になるところですがまだまだDPにはお世話になりそうです。

海外にもともとunicornnation.comというMOTU製品についてのフォーラムBBSがあって今は
http://www.motunation.com/
という形で運営されていますが、ここにはこういったマニアックな(でも必須な)Tipsも載っているので是非アクセスしてみてください。

ではまたー!

2013年9月3日火曜日

編曲 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない OST

仕事を始めたころはこの仕事が何だかわからなくて、音楽プロデューサーからとは「Strange Flower」というタイトルでやりとりしていたこれが後の「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」でした。twitterで「藤木さんがノイタミナ枠に!」って書かれたので調べたらああ、僕でした。
お仕事は縁です、今回素晴らしい仕事を一緒にさせていただき、お会いするたび音楽に集中する姿に感銘させられてしまうRemediosさんに感謝致します。天才である彼女のメロディーはまた集中力でできています。


2013年8月7日水曜日

我武者羅應援團のドキュメンタリー映画『Yell』ナレーションレコーディングの巻

僕と我がケロケロケロスタジオは「我武者羅應援團のドキュメンタリー映画『Yell』」を撮る魚山監督とのおつきあいで、この映画の音楽の一部や録音・ミックス等の協力をさせて頂いています。

映画は群馬から長野自動車道で軽井沢に向う途中の小さな村、南牧村の小さな中学校の卒業生12人と先生と我武者羅應援團の物語でとてもいい話。中学生ってさっきまで小学生だし、この先は全く新しい世界に出て行くわけで取り巻く環境も体も心もどんどん変化するこの期間の出会いや経験ってとても貴重だと思いますねー。

ディレクター・監督がFinalCutで映像を制作するパターンは近年とても多いのですが、音についてはMAスタジオを使う予算やタイミングが無い場合もあるようで、そんなとき我がケロスタはいい仕事します!ナレ録り、選曲・効果・ミックスなど。
(もちろん時間があれば広いスタジオで、劇場公開作品なら贅沢に劇場ミックスしちゃうなどもご紹介をします!)

さて今回のナレーターは刈川杏奈さん。
かわいいなあ刈川さん! x 魚山監督
中学生よりもお姉さん、先生や我武者羅よりも若いポジションが監督の狙い。僕もナチュラルな女声がいいと思っていたのでベストマッチ!やさしくやわらかいナレーション。
マイクはいつものTL-102、なんでかってニュアンスがきちんと入る上に録れた音が扱いやすいからです。U-87やTL-103よりもローがすっきりしているせいかハイを強調したい気持ちにならないので最終的にナチュラルなあがりになることが多い気がします。
CD900のイヤーパッドがボロくなってきた、発注しなくちゃ
TL監督からFinalCutから書き出したOMFファイルを受け取りProToolsで読み込み作業開始。




ナレーションのトラックは一旦監督が持ち帰り最終の映像編集で位置合わせをした後に僕が整音・音楽の編集/追加・ミックスをします。

◆刈川杏奈さんのブログはこちら
 →http://ameblo.jp/karian-0911/

◆映画についての我武者羅應援團のFB記事
 →https://www.facebook.com/photo.php?fbid=522978451107714

◆映画についてのお問い合わせは制作をしている男気のある(株)むげん企画さんまで
 (株)むげん企画 電話番号 むげん企画 03-5454-4051
  担当魚山 uoyama-k(アットマーク)mugen-k.co.jp


そしてケロスタおなじみ、録音後には互いを讃え合う飲食を行います。

うらんちゃんもカワイす!刈川杏奈さんといっしょに東京タワーで「ノッポンの紙芝居」を読んでいます
キュウリうまい・ビールうまい

みなさんお疲れさまでした。

そうだ!もう一つお知らせ、この映画の挿入歌・エンディングに toitoitoi が協力してくれています。これも早くみなさんに届けられるといいですね。

ケロスタでの作業・私のスケジュールについては twitter @kazugoo、 Email kazuguis(アットマーク)gmail.comまでご連絡大歓迎です。

ケロケロケロスタジオは田園都市線溝口駅そば。

2013年7月25日木曜日

toitoitoiレコーディング(4) シャッフルの話とかも

toitoitoiのレコーディングは彼らのライブの合間合間に組み込んで進行中です。8月はかなり集中するようです。

toitoitoiレコーディング(1)は→こちら
toitoitoiレコーディング(2)は→こちら
toitoitoiレコーディング(3)は→こちら

CDが出来上がるのが待ち遠しいですが博士(今回はなぜかそう呼ぶ)はリズムのハネ方(=シャッフル又はスウィングともいいます、ニュアンスは違うのですが)におおハマりしていました。ハネ方の量や傾向にはいろんな量(それと量の変化としての質など)があるからです。

音楽を専門的に知らないひとのために言うと、
「タタタタタタタタ」っていうリズムが「タッタタッタタッタタッタ」って感じに「ハネた感じ」になるのがシャッフルです。でもって「タッ」と「タ」の長さというかタイミングが 2対1、つまり三分割になってるのが100%シャッフルです。人間がスキップするときはシャッフルしてますよね、あの感じ。

でも人間が演奏するビートはもともと1対1だったものが言葉や楽器や身体の都合でなまっていったもののようで、その「比」もいろいろ。たとえばYMOは Absolute Ego Song 制作のときに沖縄民謡の「ハネ方」を14対10と測定してこれをもとにトラックを制作しています。このように2分割が訛ったものをスウィングって言うようです。スウィングってとてもナチュラルなことなんでしょうね。でもってJazzではそれを「クール」や「ダンサブル」なものとして強調して来たり。

ポップスを「微妙なシャッフル(スウィング)感」で聴いてみるのも楽しいです。
カーペンターズのこれ、とてもナチュラルに歌っていますがサビで入るタンバリンが「チャッカチャッカチャッカチャッカ」と「訛って」います。計ってないけどきっと30-50%くらいのシャッフル(スウィング)だと思います。


でもってとっても悩ましいスウィングはエルビスの監獄ロック、歌頭は歌ごとおもいっきりスウィングしていますが本編に入るととたんに「跳ねないビート」に代わります。ハイハットはちょっとハネていて、デデデデデデデデって弾いてるエレキギターは跳ねるのを必死で我慢しています。この時代は「跳ねないことがロックらしくて新しかった」のかもしれませんね。


余談ですがウルトラセブンの主題歌は100%に近いシャッフルビートです。
サビのシンバル「チーチチチーチチチーチチチーチチ」を聴いてください。



本日のギターはこんな感じで録音

ギターはこんな感じで狙っています。本当はあと3-50センチくらい離したいのです、何故かというとそのほうがギターを全体として録音できるからです。ですがその場合は録音場所の静粛性、余分な反射が無いかなどがとても重要になります。よく設計されたスタジオのブースでないかぎりあまり距離をとるとうまくいかないと思います。
1000本ノックのようにガリガリ弾いてスケジュールを前進させる村越博士
美しく巧みな和音構成+ギターらしさを活かすフレージングに邁進する村越博士

細かい指弾きをしてるときって、やっぱりそれが視覚的に見えるところから録りたいと思っちゃいますね。でその音が逆に「ぎこちない」「きたない」感じがしたら直接弦をはじく音を手の甲がカバーするような位置にマイクを移動します。

くれぐれも、サウンドホールの真ん前にサウンドホールに向けてマイキングしないほうがいいです。穴と低音とマイキングの関係はカホンで練習するといいかも。はい。

toitoitoiいいですよ、ファンになってください。
2013/02/16(土) 寝屋川VINTAGE(大阪)

2013年7月8日月曜日

toitoitoi レコーディング(3)

一昨日・昨日のレコーディング日記です。

諸先輩方をさしおいてのこの日記シリーズ、無礼をお許しください。
僕のリビングスタジオ(ケロケロスタジオ・仮称)とリハスタなどをノマドしてコストを節約することでなるべく多くの時間と手間をかけて進行しています。レコーディングの中で得る体験はものすごい情報量!とても貴重だと思うからです。

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一日の終わりは合宿のようにみんなで一緒に食事をして讃え合いアホ話をします

さてここ2日で1曲はミックス前までできたかな?

「ふXXX」のエレキギターとエレピの録音

バッキングで壁を作るため2本ダブルで録音するなど。やってみるとよくわかるのですが、ある程度リズムをきっちりやることでステレオ感やしっかりした壁感が出ますが、だるーんと弾くとやわやわな壁かカーテン程度の音になるってのを確認しながら進行。
この曲はこの後スタジオに移動してドラム等を録る予定。


「ぬかxXX」のメインボーカルとギターを録音

この曲だけではないけど長くライブでやってきたこの曲は演奏者の絶妙な間合いと信頼関係が発音のタイミングに現れていて、なんていうか、クリックだけを頼りにしてもうまくいかない。そういうおそらく当たり前な事を実感しつつ録音。

岸川さん唄ほんとうまい。機材的にはボーカルは録りは全くのフラット、TL-102と828MK3の組み合わせでHAのレベルは13−15dB。ラフミックスもいつもNo-EQ+ちょっとリミッターくらいしかしない。最終ミックスまで彼女の声にイコライザーをかけないで済むといいなあって感じ。ミックスするときに、基準の音としての彼女の声があるととっても楽です、こういうの大切。なんでもエフェクトすればいいってもんじゃない。


AKG C-2000B

アコギのマイキングですが、よく演奏者側から見て右斜め上前方から録音したりするのですが、今回はその対象の位置、左斜め下から狙っています。ヘッドフォンからのクリック漏れを最小限に防げることと、ちょっと距離が近めなので弦に右手が被っていなく弦が見えている機会が多いのが下側、というアイディアです。
ちなみにサウンドホールを狙いすぎたり、ましてホールに垂直に狙うとかならずモコモコします、カホンの後ろ側も同じ、斜めに狙うのがポイントです。どちら側からどっち向きに狙うかで低音のキャラが変わります。逆に低音を(基音まで)しっかり欲しいときは振動面に対してマイクを垂直に。

C-2000Bは買いやすい値段で安定感のあるコンデンサーマイクです。ちょっと低音がモタつく感じがして、最終的にはTL-102で録音しました。

機材の選び方
最近は雑誌に情報もあるし、機材自体も安く買いやすいものが増えているのですが、一番大切なことは「機材の癖を知ること」と「判断できる基準を持つ努力をすること」かな。癖にはいいところと悪いところがあると思うのです。でもさっきの「悪い」が次のシーンで「功を奏する」こともある。で、そのエッセンス・理由はなんだったんだろう。どんな風にするとどんな感じになるんだろう、というのを知って行くと購買も最小限で済みます。
もうひとつ言うとマスタリングスタジオにあるような高級な機材(「癖が無い」という癖も評価されるものもあったりなかったり)などでも、エンジニアがその機材をどう触るとどうなるか、という「癖」を知っているからその機材が活きるわけです。なのでその機材を買えば誰にでもその音が出ると思うのは本質的には大間違い!ローマの道も一歩からなのですっ。なんか違うか。。

えー、そんな感じで例によって一日の終わりは合宿のようにみんなで一緒に食事をしてお互いを讃え合いとことんアホ話をします、これ大切。

ちなみに僕のスケジュールにはまだすこし余裕がありますのでご興味おありの方、是非やらせてください。マスタリングやMixの駆け込み寺的使用も歓迎!

toitoitoiはなかなかいい感じ、webは→こちら
直近のライブは 2013.7.10(WED) 稲毛 K's Dream OPEN 18:00 / START 18:30


 toitoitoi - ベイビ (@Zher the ZOO YOYOGI, 2013/04/13)

2013年7月5日金曜日

古いアンプ Musical Fidelity A1 のメインテナンスをしました

Musical Fidelity A1 というプリメインアンプの修理をしました。

数年前にオークションでゲットしましたが大音量でちょっと定位がゆらゆらするので放置していました。パワー段を引っ張るコンデンサの容量抜けが原因でしょう。

このアンプのスペックは→こちら



このアンプはとてもシンプルな回路設計のA級増幅を採用しています。A級増幅ゆえ温度上昇が激しく、自分の熱でコンデンサーの特性劣化が激しいと言われています。他のみなさんの例と変わらずのメンテナンスです。

ところで古いシンセを触るときも同じですが僕はメインテナンスのコンセプトとして、あまり「改善」をしないようにこころがけます。発売当初には世の中に存在しなかった高性能なパーツがいまではいろいろ手に入りますが、そういうものをつかった「バージョンアップ」的なことはあまりしない。基本は復元であり、当時の味のまま(なんなら若干劣化も楽しみながら)がいいと思っています。

修理項目は以下

・プシュプル動作をさせる回路に電源をサプライするための大容量コンデンサーを交換
・電源部分の整流用ダイオードを交換
・入力セレクターのスイッチクリーニング
・電源ケーブルが見た目チープなので交換

この程度のシンプルな作業とします。

左端のパンパンに膨らんだ電解コンデンサーを見よ!

今回のメインであるコンデンサーはこれ。上の写真の左端でパンパンに膨らんでいるのがわかるでしょうか?時代とともにパーツはサイズも小さくなっていて交換済みが下。

普通の10000μF/25Vの電解コン、1個500円 x 4 使用
そして電源ケーブル。厚い被服の普通のケーブル、パソコンなんかについてくるやつですね。12mm径のケーブルだとそれを止めるブッシュがちょうど既存の穴にハマります。穴あけ不要♡。ちなみに電源ケーブルは外形は立派になりましたが導線自体の径はかわっていないので改善にはなっていません、見た目だけ立派に。高級オーディオ向けのケーブルは多々ありますが、とりあえず芯線の断面積の多いもののほうが有利でしょうね。
ケーブルは家にあったやつ・12φ用ブッシュは160円
整流用ブリッジダイオードのどれかが完全導通しちゃうトラブルが多いらしいのですが、チェックしたところ4個とも活きていました、が交換しました。1000V/32Aのブリッジに差し替え(320円)。ちなみにいまは電圧降下のすくないいいダイオードが出ていますが、今回のコンセプトは復元なのでそのような部品は使いません。

スイッチのクリーニングは、悪魔の「接点復活剤」。この手の商品でクリーニングすると部品に油が残り、それ自身が皮膜になりまた接触不良を起こします。なので「シューッとぶっ込んで・可動部分を死ぬほどカチカチ動かし・無水エタノールで流す」でいきます。スイッチやボリュームというものは使っている間は自己復帰作用があるのでそんなに問題が出ないものなので直したら使うことが大切。

外した部品たち、残骸ですね
本当はプリアンプ部分のカップリングコンデンサも変えるといいし、パスコンを足すといいと思うのですけど今回は割愛。2500円でまあまあスッキリしました。

死なないんだろうけど熱いので清音なファンでご機嫌なA1
作業が終わったらスピーカー端子に直流電圧がでていないかをテスターで確認するのを忘れない。たいていのものが壊れても煙が出ても死なないけどスピーカーを飛ばすのはダメージが大きすぎるので。

さて音出しです。
A1の出力はたったの20W+20W/8Ω ですが音はぶ厚いです。ぐぐっと押してくる感じの、アンプ本体同様に熱い音がして、このアンプのファンが多いことにもうなづけます。
部品点数が少ないので修理もそんなに大変ではない、とてもいいアンプです。

オークションに出てたら買いましょうね。